足の痛み1 足首のねんざ

足の痛み1

足関節捻挫

病態

大きく分けて内反捻挫(内がえし)と外反捻挫(外がえし)があり、内反捻挫が大部分を占めています。おもに前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい:足の甲の外側にある靭帯)が損傷されやすいです。
受傷原因としては方向転換動作や着地動作が大多数を占め、地面の凸凹、人の足を踏むなどでさらに生じやすくなります。

症状

症状は内反捻挫では内果(内くるぶし)周辺、外反捻挫では外果(外くるぶし)周辺の圧痛、腫脹、損傷の程度によって皮下出血が出現します。
急性期を過ぎると足関節のアライメント不良や足首をかばう動作によって、患部と異なる部位に二次的な痛みが出ることもあります。
痛みと腫脹によって足関節の可動制限をきたし、重度の場合は歩行も困難となります。

治療

急性期(受傷後3〜4日)は損傷組織の保護に努め、炎症を引かせるためにアイシングやテーピング固定をして患部を安静にさせます。
炎症が落ち着いてきたら腫脹の軽減や足部、足関節の可動性改善を図り、徐々に自動での関節運動を始めていきます。
痛みがなくなってきたら、荷重での筋力トレーニングやバランストレーニングを行い、足関節の安定化を強化して、スポーツ復帰を目指していきます。

アキレス腱炎/アキレス腱周囲炎

病態

シンスプリントと同様にオーバーユースまたは反復するストレス(過労)によって引き起こされる慢性のスポーツ傷害です。男女問わず幅広い年齢層に発生し特に30〜45歳の男性に多く、スポーツ種目別ではランニング競技やジャンプ競技によくみられます。
発生原因はランニング時の蹴り出しの運動や後方から前方への急激なダッシュ(方向転換)の反復動作などによると考えられています。下腿三頭筋の柔軟性低下、過度のトレーニング、不良なランニングシューズなどの要因も挙げられます。

症状

症状はアキレス腱付着部から2〜6p近位部の痛みと腫脹が出ますが、初期の痛みはそれほど強くないため、スポーツを続ける方が多く重症化しやすくなります。
ひどくなると歩行時痛や階段昇降の際にも痛みが出現し日常生活にも支障がでてきます。
放置するとアキレス腱断裂の発生リスクも高まるので早めの治療が大切です。

下腿の治療

足は地面に直接接しているので下腿の筋肉や関節になどの外傷を受けやすく、また荷重、歩行やスポーツによる使いすぎ、靴による障害により痛みを生じます。
痛みの部位と範囲、程度、発赤、腫脹などを確認し、急性期の症状には包帯やテーピング固定をします。特にシンスプリントやアキレス腱周囲炎などは下腿の筋肉の柔軟性が影響してきます。
いずれもオーバーユースで起きやすい疾患なので過度な運動を控え、ケアしていくことが重要です。

シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)

病態

オーバーユースまたは反復するストレス(過労)によって引き起こされるスポーツ外傷です。
ランニングなどの反復刺激やダッシュやジャンプ動作が頻繁に必要とされるバレーボール、バスケットボール、テニスなどに多い障害です。
シンスプリントの原因となる筋肉はヒラメ筋、前脛骨筋、後脛骨筋など下腿の筋肉群で、これらの筋肉の繰り返しの張力が痛みを生じます。

症状

初期の症状としては下腿内側の圧痛や走ったり、ジャンプした時の運動痛などがあげられます。
重症化してくると安静時痛や運動ができなくなるほど痛みが強くなり、最悪の場合脛骨の疲労骨折を招くこともあります。