ひじの痛み3 肘内障

肘内障(ちゅうないしょう)

小さなお子さんの手や腕をグイッと引っ張った瞬間に痛くなって泣き出してしまい、引っ張られた腕を上げようとしなかったことはありませんか?

2歳〜4歳(遅くとも小学校入学前後)くらいの子供に起こりやすい症状で、肘の関節にある骨同士をくっつける輪っか状の靭帯(輪状靭帯)が成長期と比べて柔らかく不安定で、それが肘から下の外側にある前腕の橈骨頭(とうこつとう)という場所からずれてしまうことで発生する、不完全な脱臼(専門的には亜脱臼といいます)状態が肘内障です。

多くの場合、子供の手首や腕をつかんで急に引っ張り上げる動きで発生します。まれに寝返りを打った際に横向きの状態で腕を巻き込んだ場合でも起こります。

痛めた直後は腕を上げようとせず、両手でのバンザイを嫌がり、物を取ろうとしても痛めていない方の手で取ろうとします。

治療法としては肘まわりがひどく腫れていなければ、腕を持ってゆっくり動かしながら肘を曲げていき「コツッ」という音がすれば整復され、瞬時に痛みも消えて腕を動かせるようになります。個人差はありますが、子供によっては繰り返すこともありますので、急に手を強く引っ張らないように注意が必要です。