ひざの痛み2 半月板損傷

ひざの痛み2

半月板損傷

病態

半月板は過重位で過度に膝関節に負荷が加わり大腿骨と脛骨との間で挟み込まれることで損傷します。スポーツ活動中では膝関節屈曲位から過度な回旋ストレスやキック動作でみられる過度な過伸展によっても損傷することがあります。
前十字靭帯(ACL)損傷などの合併損傷としても知られており、靭帯の機能不全により半月板への負荷が過剰になるため靭帯損傷時またはその後の経過中に半月板損傷が起こりやすくなります。

症状

半月板は過重した膝関節の負担を分散・吸収し、ショック緩衝の役割があるので、損傷すると階段の昇り降りやしゃがむ動作などの運動時痛と膝の引っかかり感(キャッチング)や正座が困難になります。

治療

半月板は膝の安定性を担っているため、半月板が損傷すると膝の動揺性が出てくるようになります。動揺性があると膝関節にかかる負担が大きくなっていくため、膝周囲の筋力強化が重要になってきます。
また半月板を損傷すると、膝関節や足関節のアライメントが崩れるため、従来の動きと軌道が変わってきます。半月板に負担がかからないように体幹の強化や膝の使い方の再教育をして不良姿勢を改善していくことも必要になってきます。

オスグッド・シュラッター病(Osgood-Schlatter)

病態

大腿四頭筋の過度の収縮を繰り返すことにより、膝蓋腱の脛骨付着部が慢性の機械的刺激を受けて発症します 。
スポーツによる使いすぎから発症することが多く、特にジャンプやダッシュの繰り返しの動作が多いバスケットボールやサッカーなどの活動をしている12〜13歳前後の男子に好発します。

症状

脛骨粗面部の隆起や圧痛や運動時痛、腫れや熱感を伴うこともあります。
他にもジャンプ力やダッシュタイムの低下など、痛みによる運動のパフォーマンスの衰えも見られます。また、動かさずにいると痛みがなくなり、動き始めると痛みが現れる特徴のひとつです。

治療

痛みや炎症があるときには、アイシングをしたり、超音波や低周波などの物理療法も効果的です。基本的には痛みがなくなるまではスポーツを休み、安静にすることが重要です。サポーターやテーピングなどをしながら徐々にスポーツ活動を再開させていきます。
再発しやすい疾患ですので、予防としては大腿四頭筋のストレッチが効果的です。柔軟性を高めることで、脛骨粗面部にかかる負担を減らすことができます。

成長期が過ぎると骨の成長もほとんど終わり、やわらかかった骨も固まるため、痛みは出にくくなります。ただし大人になっても、オーバーユースなどで身体を酷使し続けると再発することがあるので、普段からのケアが大切です。